私と彼の出会いは、大学に入学した翌日に行われた、学科懇親会の時に訪れました。
その日の私は、前日に入学式を終えたばかりで、緊張と不安でいっぱいでした。
あの春独特の落ち着かない雰囲気に、気持ちが焦っていたことを覚えています。
懇親会は、学科の教授や先輩方、これから一緒に過ごしていく同学年の人たちがそれぞれグループに分かれ自由に語らい、食事を楽しむといった内容のものでした。
バイキング形式の食事だったため、皿が空になった私は席を立ち、何気なく視線をやった先で、一人の男の子と目が合いました。
私と彼が初めて目を合わせた瞬間です。
しかしその時の私は、それが後々自分にとって幸福な出会いであることも知らず、ただなんとなく「こういう人もいるのだな」という印象を受けたのでした。
懇親会は滞りなく進み、最後に、学科の持つ自主研究会に入会届を提出して終わるということでした。
私も自分の氏名と電話番号、メールアドレスを書いて、担当の教授が座るテーブルへ提出しました。
その日はそれで日程が終了したため、私は懇親会で言葉を交わした女の子たちとなんとなく帰路を共にしたのでした。
そしてその帰り道のことです。
皆と別れて一人になった私が何気なく携帯を開くと、知らないアドレスからメールが来ていました。
「○○学科の○○さんですか?」という内容でした。
そこに書かれていたのは確かに私の名前で、私は本当に驚きました。
同時に、このメールの差出人は彼だ、と直感しました。
それは見事に当たっており、私のことが気になって、あの会の最後に出した入会届に書かれた番号を見てメールしたのだと彼は言いました。
変な人だと思ったのをよく覚えています。
それをきっかけに私たちは知り合い、紆余曲折を経て交際に至ったのでした。
ドラマなような運命の出会いとは言い難い出会い方でしたが、一風変わった彼との出会いには相応しいものだったなと、今でも思います。

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